相続税の各種控除
相続税の控除には未成年者控除、障害者控除、配偶者の税額軽減(以下、配偶者控除)、相続財産から控除できる費用(未払医療費)があります。
未成年者控除・障害者控除
未成年者控除
未成年者の相続人がいる場合、18歳に達するまでの年数につき10万円が未成年者控除として相続税額から控除されます。未成年者控除の控除額は、未成年の相続人が何歳で相続したかによって変わりますので、以下の例をご覧ください。
例:未成年の相続人が7歳5ヵ月の場合
18歳まで10年7ヵ月ですが、端数切り上げ(障害者控除も同様)のため11年として計算します。したがって、控除額は「11年×10万円=110万円」になります。
障害者控除
相続人に障害者がいる場合、障害者控除という特例が適用されます。さらに、特別障害者の場合は控除額も変わりますので注意しましょう。
〇一般障害者の控除額
満85歳になるまでの年数1年につき10万円が控除されます。
〇特別障害者の控除額
満85歳になるまでの年数1年につき20万円が控除されます。
配偶者控除
配偶者には、配偶者控除という特例があります。配偶者控除は、配偶者が相続する財産の評価額が1億6,000万円までなら税金がかかりません。また、配偶者の相続財産が1億6,000万円を超えたとしても、民法で定められた法定相続分の範囲内で相続する場合には税金がかからないという特例です。
上記で計算された配偶者控除額を、配偶者の相続税額から差し引くことが可能です。
相続財産から差し引かれるもの
遺産総額から差し引くことができるのは、以下の2つになります。下記にそれぞれの具体例を列記させていただきます。
債務
- 銀行や個人からの借入金
個人からの借入金の中でも特に親族からの借入金については、実態として借入があったかどうかの判断が必要です。 - 公租公課(こうそこうか)※国や地方公共団体に納める税金や負担金
相続発生後に支払う準確定申告の所得税・消費税や住民税、固定資産税などの税金や社会保険料などです。 - 連帯債務(連帯債務者が弁済不能の場合)
夫婦や親子などが連帯して負担する債務において、連帯債務者が弁済不能であり、被相続人が弁済しなければならないなど求償権を行使しても弁済を受ける見込みがない場合は、被相続人が負担すべき部分のみが対象となります。 - 賃貸不動産などの預かり敷金
- 被相続人が使用していた水道・光熱費や電話代などの未払金
- 特別寄与料
特別寄与料は、令和元年7月1日以降の相続開始から適用されることになりましたが、被相続人に対して無償で療養看護などの労務を提供したことにより、被相続人の財産の維持または増加に特別の寄与をした相続人以外の方に対して、特別寄与料を支払う相続人に債務控除が認められます。
未払医療費
死亡後に支払った医療費についても、相続税の計算上、債務控除の対象になります。
〇相続税の申告
死亡後に支払った医療費については、債務控除の対象となります。
〇相続人の所得税の確定申告
死亡後に支払った被相続人の医療費は、その金額を負担した(その債務を相続した)相続人の確定申告での医療費控除の対象になります。
〇準確定申告
死亡後に支払った被相続人の医療費は、被相続人の医療費控除の対象にはなりません。死亡前に支払った被相続人の医療費は、被相続人の医療費控除の対象になります。
葬式費
〇相続税法上の葬式費用に該当するもの
- お通夜・告別式にかかった費用
- 葬儀に関連する料理代
- 火葬料、埋葬料、納骨料
- 遺体の搬送費用
- 葬儀場までの交通費
- お布施、読経料、威名料
- お手伝いさんへのお礼
- 運転手さんへのお礼
- その他通常葬儀に伴う費用
〇相続税法上の葬式費用に該当しないもの
- 香典返し
- 生花、盛籠等(喪主、施主負担分は葬儀費用)
- 位牌、仏壇、墓石の購入費用
- 法事(初七日、四十九日)に関する費用
- その他通常葬儀に伴わない費用
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