相続税の未申告に対する罰則
日本では申告納税制度がとられており、所得税、法人税、消費税等の国税の多くはこの制度を採用しています。申告納税制度とは、納税者自らが税額を計算、申告から納税までを行う方式です。これは相続税の納付にも採用されており、相続人が財産調査を行い、申告・納税を行います。申告の必要があるにも関わらず、申告しなかった場合はペナルティが課せられます。
ここでは相続税を申告しなかった場合のペナルティと、そもそもなぜ相続税を支払う必要があるのかについてお伝えをさせていただきます。
相続税の機能
お客様からご相談を受ける中で、財産を親族に渡すだけなのに、なぜ税金がかかるのかとおっしゃる方もいらっしゃいます。ここでは、下記にて国税庁が掲げている2つの大きな機能をお伝えしていきます。この2つに基づいて相続税は課税され、申告をしんかった相続人に対してはペナルティを受けることになります。
所得税の補完機能
被相続人が生前に受けた社会的・経済的観点からの税制上の特典、その他の負担軽減を受けて蓄財したものを相続開始時点で清算する機能になります。
富の集中抑制機能
相続により相続人等が取得した財産は、偶然の産物であり、その一部を税として徴収することで、相続した者としなかった者との間の財産の均衡を図り、富の集中を抑制するための機能になります。
未申告の場合の罰則
相続税の申告義務がありながら、申告をしなかった場合には、状況により下記の罰則が定められています。
偽り、あるいは何らかの不正行為によって相続税を免れた場合
10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金に処せられ、又は併科されます。
また、免れた相続税額が1,000万円を超える場合、情状により1,000万円を超えた金額で、その免れた税額に相当する金額以下の罰金とされる場合もあります。
故意に申告書を提出しなかった場合
期限内申告書を提出期限までに提出しないことにより相続税を免れた者は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処せられます。
免れた相続税額が500万円を超えるときは、情状により、500万円を超えた金額で、その免れた税額に相当する金額以下の罰金とされる場合があります。
ミスにより、正当な理由がなく申告しなかった場合
正当な事由がなくて期限内申告書をその提出期限までに提出しなかった者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
ただし、情状によっては、その刑が免除される可能性もあります。
日本の申告納税制度にのっとり、ご自身で申告の有無を判断することもできますが、複雑かつ専門的な知識が必要になることも多いため、わからないことがある場合は専門家に相談するようにしましょう。大阪相続税申告相談室では、大阪の皆さまからの相続税申告についてご相談をお受けしております。大阪の皆さまからのお問い合わせ、心よりお待ちしております。