相続税における非課税の配偶者

配偶者の税額軽減

相続税の制度では、相続人の生活や事業の維持などに配慮して諸種の軽減措置を設けており、その中のひとつとして配偶者の方には「配偶者の税額軽減(以下、配偶者控除)」という非課税枠が認められています。これは、配偶者は遺産分割や遺贈により取得した財産が、「1億6千万円」あるいは、「配偶者の法定相続分」のいずれか多い金額までは相続税がかからず、軽減制度を受けられるという内容です。配偶者が実際に取得した財産に基づいて計算されます。

申告期限までに遺産分割協議などで分割出来なかった財産については、配偶者控除の対象外となりますので注意が必要です。しかし、相続税の申告書又は更正の請求書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付、申告期限までに遺産分割が整わなかった財産については、申告期限から起算して3年以内で分割したときは、税額軽減の制度を受けることが出来ます。

なお、申告期限から3年を過ぎてしまう場合においてもやむを得ない事情があったケースであり、税務署長の承認を受けることができれば、その事情がなくなった日の翌日から起算して4か月以内に分割がされれば、税額軽減の制度を受けることができます。

配偶者控除を受けられる対象者と注意点

被相続人が亡くなった時点で法律上の婚姻関係にあった配偶者のみ、配偶者控除を受けることができます。そのため、内縁の関係にある人、事実婚の配偶者等、被相続人の死亡の時点で法律上の配偶者ではなかった人は対象外とされています。

せっかく配偶者控除を受けようと思っても、要件を満たしていなければ税額軽減を受けることは認められなくなってしまう可能性もありますので、注意が必要です。 配偶者控除は配偶者にとって利点のある制度ですが、その配偶者の方が亡くなった時に二次相続の場合、お子様などの相続人が多額の相続税を課される恐れがあります。 また、遺産を隠匿、仮装する行為をした場合、その財産について税額軽減を受けることは認められませんので注意しましょう。

配偶者控除を受ける際に必要なもの

相続税の配偶者控除を受ける際に必要な書類は、以下の通りです。

  • 相続税の申告書
  • 戸籍謄本
  • 遺言書の写し又は遺産分割協議書の写し(配偶者の取得した価額が分かる書類)
  • 印鑑登録証明書(※遺産分割協議書の写しを提出する場合のみ必要になります。)

相続税の配偶者控除には、配偶者の節税になる制度ではありますが、二次相続の場合のデメリットもあります。相続税申告についてすべてを理解することは非常に難易度の高いこととなりますが、仕組みを知ることでご自身の相続において、誰がどのような形で財産を承継すれば特策になるのかを生前から準備することが可能となります。少しでもお困り事がございましたら、相続税に関する知識・経験の豊富な大阪相続税申告相談室にお気軽にご相談下さい。

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