農地の相続税の納税猶予
農業を営んでいた被相続人から相続によって農地を取得した場合、「納税猶予の特例」の適用を受けることが出来る可能性があります。納税猶予の特例を受けるためには被相続人・相続人・農地に関しての要件があり、ここでは農地の要件についてご説明いたします。
特例農地等の要件
次のいずれかに該当するものであり、相続税の期限内申告書にこの特例の適用を受ける旨が記載されたものであることが必要です。
- 被相続人が農業の用に供していた農地等で相続税の申告期限までに遺産分割されたもの
- 被相続人が特定貸付け等を行っていた農地又は採草放牧地で相続税の申告期限までに遺産分割されたもの
- 被相続人が営農困難時貸付けを行っていた農地等で相続税の申告期限までに遺産分割されたもの
- 被相続人から生前一括贈与により取得した農地等で被相続人の死亡の時まで贈与税の納税猶予又は納期限の延長の特例の適用を受けていたもの
- 相続や遺贈によって財産を取得した人が相続開始の年に被相続人から生前一括贈与を受けていたもの
(国税庁ホームページより抜粋)
納税猶予の特例の対象となる農地等
農地の納税猶予の適用は下記の農地に限られています。
①市街化調整区域の農地
土地は市の都市計画により、市街化区域と市街化調整区域に分かれています。市街化調整区域とは市街化を抑制する区域のことを指し、建物をあまり建てさせない区域です。ご自身の所有する農地が市街化調整区域かどうかは区役所や市役所にて確認が可能です。
②市街化区域内の生産緑地地区内
市街化区域とは「すでに市街地を形成している区域」および「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」をいいます。市街化区域内の農地で納税猶予を適用したい場合には、生産緑地の指定を受けている必要があります。生産緑地に指定をされると建築物の新築や改築等、また宅地の造成等が制限され、農地として継続してその土地が存続できます。
特例を受けるための手続き
①相続税の申告手続き
相続税の申告書に所定の事項を記載し、相続税の納税猶予に関する適格者証明書や担保関係書類など必要書類を添付して期限内に提出します。また、農地等納税猶予税額及び利子税の額に見合う担保の提供が必要です。
②納税猶予期間中の継続届出
納税猶予期間中は相続税の申告期限から3年目ごとに、引き続きこの特例を受けるための届出書(継続届出書)を提出することが必要です。農地の相続税の納税猶予の手続きは複雑なものが多くなります。
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